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ネフローゼ症候群の小児の症状や治療方法をわかりやすく解説

小児ネフローゼ症候群top

どうも。ネフローゼ症候群歴26年のベテラン、美堂です。

もしも突然、あなたのお子さんが「ネフローゼ症候群」という難病と診断されてしまったら、どうしますか?

きっと、意味不明だし、ショックを受けてしまいますよね。

「どうしてうちの子なの?なんで?」

本記事は、小児のネフローゼ症候群について超絶分かりやすく解説してご紹介していきます。

どうか安心してください。

ネフローゼ症候群のことをちゃんと理解すれば大切なお子さんを守れます。

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【この記事はこんな人に向けて書いてます】

  • お子さんが突然、ネフローゼ症候群と診断されてしまった人
  • 友人がネフローゼ症候群だと知った人
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小児ネフローゼ症候群とは?

小児ネフローゼ症候群とは?

ネフローゼ症候群とは、タンパク質が尿中に大量に漏れ出て、血液中のタンパク質の濃度が低下し、その結果、尿の量が減り、体がむくむ病気のことです。

[btn class=”big lightning”]ネフローゼ症候群の超絶分かりやすい説明はこちらです。[/btn]

その中でも、子供が発症したものを「小児ネフローゼ症候群」と言います。

日本では、毎年、約1,300人の新たな小児ネフローゼ症候群が発症していると言われてます。

結構、多いですよね。

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【診断される基準】

  • 高度のタンパク尿(尿中にタンパク質が大量に含まれて体外に出てしまう)
  • 血液中のタンパク質濃度の低下
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基本的には、以上の2点の要素を検査結果を見てお医者さんに判断してもらいます。

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【~~症候群ってどういう意味なの?】

医学的に、同一の症状を発症していながら、原因が異なる病気のことを、「~~症候群」と呼びます。

ネフローゼ症候群も、単一の原因がある訳ではなく、様々な原因によって厳密に区分されてます。

その中でも、小児ネフローゼ症候群の場合は、「微小変化型」というタイプが多いです。

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小児ネフローゼ症候群の原因について

小児ネフローゼ症候群の原因は、主に「糸球体」という器官の障害で起こります。

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【糸球体って何?】

糸球体とは、血液をろ過して尿の素をつくる器官のことです。

腎臓の本来の役割は、体の中にたまった老廃物や余分な水分を外へ出して、血液をきれいにすることです。

血液が腎臓に流れ込んで糸球体を通るとき、糸球体の壁から老廃物を含んだ液体がこし出されます。

これを「原尿」といいます。

その後、原尿が尿細管や集合管を通ると、体に必要な成分や水分は再び吸収されます。

尿細管では不要な物質の分泌(排泄)もします。

そして最終的に、老廃物と余分な水分だけが尿となって体外へ出されます。

糸球体の説明 [/aside]

小児ネフローゼ症候群の場合は、体内に留まっていないといけないたんぱく質が尿の中に大量に漏れてしまい、

体外に出てしまうことで、血液中のたんぱく質が減少していまいます。

残念ながら、どうして糸球体で異常が起きてしまうのかは分かってません。

最近では、その原因は免疫異常が原因なのでは?という説があります。

ネフローゼ症候群は、腎臓の機能が正常に働かないので、一見すると腎臓病として見られますが、原因からすると血液や免疫の病気とも言える病気です。

小児ネフローゼ症候群の症状について

基本的には、成人のネフローゼ症候群と同じ症状になります。

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【主な症状】

  • (急激な)体重増加
  • むくみ(浮腫)
  • 尿量の減少
  • 高血圧
  • 倦怠感
  • 食欲低下

症状が進行していくと、小腸や大腸がむくんでしまうことで、下痢や腹痛の症状も現れます。

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【症状が悪化したら】

ネフローゼ症候群が悪化すると、胸やお腹に水がたまります。

これがホントに辛くてきついんですよ。

息苦しいし、お腹周りも張ってしまいます。

むくみ(浮腫)と、全身の倦怠感の影響もあって、起き上がって歩くことすら困難になります。

※急性に悪化した場合は、血圧が低下したり、顔面蒼白などの状態になることもあります。

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タンパク尿が出てない状態(症状が出てない場合)は、基本的に普通の人と同じです。

普通に身体を動かせますし、日常生活に問題ありませんのでご安心ください。

ネフローゼ症候群の気を付けなくてはならないポイントは、初期症状にいち早く気づいて、早急に症状を止めることが大切です。

小児の場合は、まだ自分自身で認識することが出来ないので、お母さん・お父さんが注意深くチェックしてあげる必要はあります。

ただ、そんなことを言っても、この病気の症状は外見上では分かりません!!

っていうか、本人ですら、気づかないことの方が多いんです。

外見上で判別できないのに、どうやってチェックしてあげればいいの?

ネフローゼ症候群のセルフチェックの基本の方法は、試験紙で毎朝の尿検査でチェックします。

小児ネフローゼ症候群の検査について

【自宅での検査方法】

毎朝のセルフチェックで主に使うのが、「アルブスティックス」という商品を使用しての尿たんぱくの値のチェックになります。

アルブスティックスの表 アルブスティックスの裏側

自宅でのアルブスティックスの検査は、試験紙による簡易検査です。

おおよその目安になりますが、正確な尿中のたんぱく量や血中のたんぱく質量は分からないので、

目安として+1以上が3日以上継続して出てるようであれば、病院で精密検査を受けるべきです。

ちなみに、アルブスティックスの試験紙は水に溶けないので、使用済みの試験紙は別途ゴミ箱に破棄することになります。

 

【病院での検査方法】

小児のネフローゼ症候群での検査は成人と同じで、「尿検査」と「血液検査」で症状の状態を定期的に確認していきます。

尿検査 → 尿中のたんぱく質の量を調べます。

血液検査 → 血中の『アルブミン』というたんぱく質の量を調べます。

尿中のたんぱく質の値が高く、血中のアルブミンの値が低ければ、小児ネフローゼ症候群の症状と言える可能性が高いです。

 

【腎生検は行うの?】

ネフローゼ症候群の確定診断の方法に、「腎生検」という腎臓の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる方法があります。

この「腎生検」という方法は、ボールペンぐらいの太さの針を腰の辺りから挿入して、直接、腎臓の組織細胞を採取するのですが、身体への負担も大きいですし、出血も伴うので、この検査を行うには入院が必要になります。

又、止血の為に、2~3日はベッド上で絶対安静になります。

小児の場合は、注射ですら怖いのに、腰に太い針を刺すことになるので、大変な負担になります。

大人でさえ、麻酔をしてるとは言え、痛みは伴いますし、めっちゃ怖いですよね。

大切なお子さんに太い針を刺されてる姿は、お母さんは見るに耐えられないです。

安心してください。

腎生検を行わない場合もあります。

小児ネフローゼ症候群の多くの場合は、微小変化型なので、ステロイド治療の反応が良いので、腎生検をする必要がない場合があります。
(ステロイド薬を投与して、効果があれば無理して腎生検をすることはありません)

ただし、目視できるほどの血尿の症状が出ていたり、1歳未満の乳児の場合は、微小変化型でない可能性が高いので腎生検を行う必要があります。

 

「ステロイド」を用いた薬物療法について

小児ネフローゼ症候群でも、治療方法は基本はステロイドの投薬治療になります。

特に微笑変化型のネフローゼ症候群には、ステロイド薬は効果的です。

タンパク尿が出てから、ステロイドを投与して早ければ1〜2週間で尿中のタンパクは無くなり正常値に落ち着きます。

ステロイド薬の投与の方法は、錠剤を口から飲む方法と、点滴による投与する方法とがあります。

初めてネフローゼ症候群を発症した場合は、既にかなり症状が進行してる場合が多いので、点滴による投与になることがあります。

ステロイド薬は、タンパク尿を抑え込むのに効果的ですが、副作用の影響も大きいです。

 

 

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【ステロイド薬の副作用】

  • 感染症にかかりやすくなる食欲増進(肥満体質になります)
  • 骨密度の低下成長障害(身長が伸びにくくなります)
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ステロイド薬を大量に長期間使用することは、小児の身体には影響が大きいので、

投与量と期間はお医者さんと相談して、出来るだけ負担を少なくしたいですね。

ステロイド薬の副作用の影響を少しでも減らす為に、免疫抑制剤を併用することもあります。
(免疫抑制剤にも様々な種類があって、副作用もありますし、効果があるかは個人差があります)

幼稚園・保育園に通う年齢のこどもの腎臓病について

小児ネフローゼ症候群 幼稚園

幼稚園や保育園に通う年齢のこどもの場合のネフローゼ症候群との付き合っていきながらの日常生活での気をつけるべきポイントをご紹介します!

食事療法について

腎臓病と聞くと、一般的に厳しい食事制限があると思われてますが、ネフローゼ症候群の場合は食事制限は殆どありません。
(使用してる免疫抑制剤によっては、相性の悪い食材もあります)

特に小さいお子さんの場合は、成育期でもありますし、食べものも好き嫌いをしないようにしてあげる必要がありますよね。

ネフローゼの症状が出ている場合は、ちょっとだけ注意が必要で、塩分の摂取を控えるようにしましょう。

特にむくみ(浮腫)がある場合は、塩分を取ると腎臓に負担を掛けて、更にむくみが進行することになってしまいます。

水分制限やたんぱく質の摂取は特に制限はありません。

昔は前日の尿量と同じ量しか翌日の水分摂取量を制限するということもありましたが、

現在では医学的にも根拠がはっきりしてないということで、制限はありません。

たんぱく質に関しても、医師の特別な指示がない場合は制限はありませんので、年齢に応じた摂取量で大丈夫です。

私の経験からすると、食事面で最も辛かったのは、ステロイド薬の副作用による食欲増進です。

基本的に、どれだけ食べても空腹感があります。

その感覚のままで好きな放題、食べてると太ります。

ネフローゼ症候群の症状が出てるときは、ただでさえ太りやすい体質になります。

それに追い打ちを掛けるようにステロイドによる食欲増進の影響であっという間に体重は増えます。

空腹感というのは、ストレスにも繋がりますので、お母さんは食事を作る時には、

出来るだけお腹の膨れるレシピにしてあげると良いかもです。

 

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【空腹感を満たすレシピ例】

  • スープや汁もの
  • 野菜を多めにする
  • 豆腐などを焼いたりして、疑似のお肉料理にしてみる
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成長期である小児でも、栄養バランスやは大切ですし、摂取カロリーの取り過ぎは禁物ですので、お母さんは少しだけ工夫してあげましょうね。

 

自宅療養の注意点

長期間、ステロイド薬を服用することになるので、感染症にかかりやすい体質になってしまいます。

 

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【感染症予防の習慣】

  • 手洗い・うがいの徹底
  • マスクの着用
  • 人混みを避ける
  • 虫に刺されないようにする
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ネフローゼ症候群の症状が落ち着いて安心したいところですが、風邪などをきっかけに再発(落ち着いていた症状が再び発症すること)する可能性が高いです。

ステロイド薬で症状を抑えてるのに、その副作用で感染症にかかりやすい体質になって、再発するという、悪循環があるのが何とも辛いところなんですよね。

幼稚園や学校などで、風邪やインフルエンザが流行してきたら、念の為に数日間だけお休みをするという方法もおすすめです。

個人的な経験ですが、小さいお子さんだけでなく、大人でさえも「風邪を引いたら、誰かに移して治せばよい」という悪意を持ってる人もいます。

こちらがどんなに気を付けても、防ぎきれない場合はあります。

特に、小さいお子さんはマスクを嫌がる傾向もありますので、場合によっては他人との接触を控える必要があります。

 

【骨折リスクと適度な運動をしよう】

ステロイド薬の副作用の1つに、「骨が脆くなる」という面があります。

副作用が進行していくと、骨粗鬆症という骨折しやすい身体になってしまいます。

なので、激しい運動は基本的に避けるようにしましょう。

けれども、全くの運動をしないと、こどもにとってストレスになってしまいますし、運動不足による肥満が進行したり、身体の成長に悪影響を与えることにもなります。

バランスが難しいのですが、疲れ果てない程度の運動量が大切です。

大人でも同じですが、いくら身体の為とは言え、自由に体を動かせないのはめちゃくちゃストレスになります。

それに、ネフローゼ症候群という病気はあるものの、基本的には普通のお子さんと同じように日常生活を送ることが大切です。

病気を抱えてるお子さんに対して、過度にデリケートに大切に扱うことは、逆にお子さんにとって良くないこともあります。

自分自身を特別だと思ってしまうと、それだけ周囲のお子さんとギャップが生まれてしまいます。

成長していく過程で、お子さんの身体だけでなく、精神的な成長もお母さんの考えてあげないといけないポイントですよね。

 

小児ネフローゼ症候群に関するおすすめの書籍

小児ネフローゼ症候群の疑問

小児ネフローゼ症候群に関して、もっと詳しく勉強したい! というあなたにおすすめの書籍をご紹介します。

国立成育医療研究センターから出版されている、『こどもの腎炎・ネフローゼ』です。

腎臓病に関する本は色々とありますが、本書はこどもの腎臓病とネフローゼ症候群に関して、かなり分かりやすい1冊です。

インターネット上で情報を集めようとしても、どうしても継ぎはぎの知識になってしまいますし、信ぴょう性に欠ける部分もありますよね。

実際にこの記事を書いてる私自身も医学的な専門家ではありません。

ただ、この病気と付き合って26年間という年月で、経験した色々なことをお伝えしたいと思ってます。

お医者さんの診断や、専門家のご意見も大切だと思います。

けど、実際に経験してきた人だからこそ分かることもきっとあると思います。

周りに相談できないし、話をしても理解されないってことばかりです。

まずは、じっくりと時間を掛けても良いので、ネフローゼ症候群について知っていくことから始めてみませんか?

 

 

小児ネフローゼ症候群は再発しやすい!

小児ネフローゼ症候群の予後

小児ネフローゼ症候群の70~80%は再発すると言われてます。

せっかく、ステロイドで症状を抑え込んで、徐々にステロイドの投与量も減ってきたと思った矢先に、再発することが多いんです。

しかもはっきりとした原因が分からない場合が多いんです。

再発するネフローゼ症候群のことを、『頻回再発性ネフローゼ症候群』『ステロイド依存性ネフローゼ症候群』と分類されてます。

 

 

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【頻回再発性ネフローゼ症候群とは】

初めて発症したときから半年の間に2回以上、もしくは1年に4回以上再発をくり返す症状のこと。

 

【ステロイド依存性ネフローゼ症候群とは】

ステロイドの量を減らしているとき、または中止してから2週間以内に連続して再発する症状のこと。

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私の場合は、ステロイド依存性ネフローゼ症候群で、ステロイドから脱却することが出来ないでいます。

過去に、何度かステロイドを全く飲まないで大丈夫だった期間がありましたが、その際は免疫抑制剤を併用していたおかげです。(ネオーラルという免疫抑制剤になります。)

残念ながら、免疫抑制剤にも長期間、投与し続けることが出来ない薬もあります。

 

治療方法が限定されていて、その原因などが分からないので、お母さんとしてもお子さんにしてあげられることが限られていて、もどかしい気持ちになることが多いですよね。

「代わってあげられるなら代わってあげたい!!」

大丈夫です。

実は、小児ネフローゼ症候群の約70~80%は完治すると言われてます。

と言うのも、ステロイドなどの薬を投与しない状態で3年再発しなければその内の80%、5年再発しなければその内の90%が完治していると言われてます。

ネフローゼ症候群という病気は決して不治の病なんかじゃありません!

どうか、落ち着いて病気と向き合っていきましょう。

焦らずにこの病気と向き合うことが、ネフローゼ症候群の治療のための第1歩です。