どうも。ネフローゼ歴26年目の美堂(@midou_kyouji)です。
ネフローゼ症候群という難病を発症してしまい、その症状も辛いですよね。
けど、この病気の辛いところは再発をしてしまうことです。
あなた自身や、お子さんを支えていくお母さん・お父さん、何度も繰り返される再発に心が折れてしまいそうな日々を過ごしてしまってるかもしれません。
その気持ち、私も何度も数えきれないぐらい程に経験してきてます。
本記事は、そんなネフローゼ症候群でどうして再発してしまうのか?
そんな疑問に、ネフローゼ歴26年のベテランの私がお答えしていきます!!
- 初めて再発をしてしまってショックを受けてしまってる人
- 何度も再発をしてしまい、再発の理由を知りたい人
- ステロイドから脱却できない人
スポンサーリンク
ネフローゼ症候群の再発の原因をご紹介します!
ネフローゼ症候群は難病と言われていますが、
実はその原因のメカニズムはここ数年の研究で少しだけ解明されてきてます。
まだまだ完璧ではないですが、現在の医学(2018年7月現在)原因と再発のメカニズムをご紹介していきます!
医学的な再発のメカニズム
ネフローゼ症候群の再発(発症)の原因は、腎臓の糸球体の異常が原因と言われてます。
【糸球体とは】
糸球体は、血液をろ過して尿のもとを作る器官です。
このとき、通常であればたんぱく質は血液中にとどまります。
しかし、ネフローゼ症候群にかかっていると、たんぱく質が尿の中に大量にもれてしまい、血液中のたんぱく質が減少します。
糸球体の異常はなぜ起こるのか?
この根本の原因が長い間、分からないので、ネフローゼ症候群が難病と言われてきてる理由になります。
ですが、最近の医学研究によって少しずつ判明してきてるので、以下に掲載します。
【糸球体の免疫異常の理由】
1974年,Shalhoubは,微小変化型ネフローゼ症候群はT細胞によって産生された糸球体毛細管透過性充進作用をもつ液性因子(lymphokine)が原因ではないかと提唱した。
この仮説は,微小変化型ネフローゼ症候群が,
- 細胞性免疫に影響を与える麻疹の罹患によって寛解すること,
- 副腎皮質ホルモンやシクロホスファミド治療に反応すること,
- Hodgkin病の治療に伴いネフローゼ症候群が寛解し,
その再発とともにネフローゼ症候群も再発することなどに基づいている。
この仮説が発表されたのち,その液性因子を同定しようとする多くの試みがなされてきた。
これまで,微小変化型ネフローゼ症候群の原因となる液成因子として,
VPF (Vascularpermeabilityfactor,血液透過性充進因子),IL-13,TNF-α,ヘモペキシンなどが報告されているが,
いまだに確定には至っていない。
専門用語も多くて、理解が難しい文章なので簡単に要点だけを説明しますね。
糸球体の免疫異常の原因は、T細胞と言われる細胞から生まれる、
「とある液性因子」が原因ではないだろうか?という説が有力です。
この考えの根拠として、
- ステロイド薬が何故か効く
- 特定の細胞に効果を持つ、免疫抑制剤が効く
つまり、治療のメインとして使用してる薬物が何故か分からないんだけど、ネフローゼ症候群の症状に効果的だから、
どこの細胞に効果があるのかを、
全力で頭の良い先生たちが猛烈に何年もかけて片っ端から調べてるよ。ってことです。
私の主治医から聞いた話ですと、ネフローゼ症候群の発症(再発)の原因が判明したら、凄いことらしいです。
どのくらい凄いかって言うと、
ノーベル医学生理学賞が取れるぐらいの世紀の大発見だそうです。
ネフローゼ症候群は苦しいことも多いですし、早く完治してほしいと願う日々を過ごされてると思います。
世界中の頭の良い先生達よ!!どうか頑張って原因を特定してください!!
スポンサーリンク
26年のベテランが発見した再発の理由
ネフローゼ症候群の再発の原因って、医学的な難しいことは正直私もよく分かりません。
というか、そんなこと意識して普段の生活は送ってません!
ネフローゼ歴26年の私が気づいた再発の原因を生活レベルでご紹介します。
※こちらに記載させて頂く内容は完全なる主観になります。医学的な根拠はありません。
【ネフローゼの再発の原因になること】
- ストレス(精神的な)
- 疲労(体力的に)
- 風邪やインフルエンザ
- 出血を伴うケガ
- (過度な)筋肉痛
- 気圧や天候による体調不良(台風含む)
ネフローゼが再発するときって、単一の原因だけがきっかけになることはなくて、
私の経験からは上記の原因が複数重なったときに再発することがあります。
専門的な医学書には、ストレスはネフローゼの再発のきっかけになる根拠がないと書かれてます。
でもね!私が過去に再発した頃を思い返してみると、人間関係で苦しんでる時ばかりなんですよね。
不思議なもので、受験生の頃や転職活動なんかの精神的に不安定になりがちな頃は逆に安定してました。
個人ごとの性格もあるので、何がストレスになるかは変わってくることがあります。
「病は気から」という言葉がありますよね。
あながち間違ってないなと思うのですが、精神的な負担は出来るだけなくした方が良いと思います。
お子さんがネフローゼ症候群で何度も再発してしまう場合は、
ネフローゼの症状だけでなく、もしかしたら精神的なストレスも影響を与えてる可能性もありますので、
お母さんはどうやったらお子さんのストレスを軽減できるかを考えてあげることも必要かもしれません。
ストレスと同じぐらい、再発の原因というか規則性があるなと個人的に発見したのは、季節性の要因があります。
私の場合ですが、季節の変わり目と夏の時期に再発することが多いんですよね。
季節の変わり目というと、一般の健康な人でも体調を崩しやすい時期ですが、身体が急激な気候の変化に付いていけないんです。
それと、不思議なのが夏の時期に再発することが多いのですが、その多くは台風や梅雨の時期に体調不良になります。
低気圧の影響なのかなと思うのですが、よく偏頭痛になったり、疲れが取りにくかったり、寝不足になりがちです。
それと、私は男性なので詳しいことは分からないのですが、
女性の場合は生理時期の体調不良が再発のきっかけになることもあると聞いたことがあります。
女性ホルモンの乱れから、寝不足になったり疲れが取れにくい時期などに、
ストレスなどの他の原因が重なってしまうと、再発してしまうこともあるらしいです。
スポンサーリンク
ステロイドの副作用はもうこりごりなんだよ
ネフローゼ症候群の治療のメインはステロイド薬の投与による薬物療法です。
けど、このステロイド薬の投与が治療の為に必要だけど、副作用が苦しいんですよね。
ネフローゼ症候群にステロイドが効果がある理由
ステロイド薬がネフローゼ症候群に効果的な理由は、残念ながら現在の医学では完全に解明されてません。
ですが、ここ最近の研究で、ほんの少しだけ解明されてきてますので、ご紹介していきますね。
ステロイド薬を投与して、それに対して人間のどの遺伝子が反応しているのかを、1つずつ解析していく研究が行われてます。
人間の遺伝子って物凄い数があるんですよね。
(私は医学部出身でも理系でもないので、全然詳しくないですが)
研究の詳しい内容は正直なところ、よく分かりませんが、平たく言うと、数多くの遺伝子の1つ1つを片っ端から取り出して解析していくことを行ってるそうです。
まるで太平洋の中から、探し物をザルですくって見つけ出すような途方もない作業の繰り返しになります。
そんな大変な研究の成果で、最近になって6つの原因と思われる遺伝子を見つかったそうです。
以下に、最近発表された、ステロイド薬がなぜネフローゼ症候群に効果があるのかの研究発表の文章を載せます。
【発表のポイント】
- 国の指定難病の一つである一次性ネフローゼ症候群(図1)注1のなかで、ステロイド治療に反応を示す17家系に対しゲノム解析を行い、6つの新しい病因遺伝子を同定した。
- 同定された6つの遺伝子は、いずれも同一シグナル伝達経路の因子であり、これまで不明であったステロイド剤の作用機構の理解に重要な知見を与えた。
- 同定されたシグナル伝達経路を治療標的とすることで、副作用が問題となっているステロイド治療に代わる新規治療開発への貢献が期待される。
【概要】
東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野の工藤 宏紀(くどう ひろき)医師、菊池 敦生(きくち あつお)助教、呉 繁夫(くれ しげお)教授らの研究グループは、ボストン小児病院のFriedhelm Hildebrandt教授らの研究グループと共同で、ステロイド治療に部分的に反応を示す一次性ネフローゼ症候群17家系から、新規原因遺伝子群(6遺伝子)を同定しました。
ステロイド治療に反応性を示すネフローゼ症候群(ステロイド感受性ネフローゼ症候群注2)の病因遺伝子同定はこれまで非常に困難でしたが、今回、東北大学病院で診療中の兄弟症例のゲノム解析と海外の血族結婚家系の解析を組み合わせる事で、病因遺伝子群の同定が可能になりました。
(国立開発研究所 日本医療研究開発機構 「ステロイド治療に反応を示す一次性ネフローゼ症候群の病因遺伝子群を同定―従来のステロイド治療に代わる新規治療開発に期待」より引用)
スポンサーリンク
リツキサンというヒーローの登場
ここ最近になってですが、ネフローゼ症候群の治療に対して注目されてる新薬があります。
その名もリツキサンというお薬です。
このリツキサンは、ネフローゼ症候群の繰り返される再発に対して効果的で、まさにヒーロー登場か⁉︎と言われるほどです!
実は、今までのネフローゼ症候群の治療といえば、対処療法しか有効な手段がなかったのが現実です。
再発したらステロイドを大量投与して、症状が治まったら、減量して、その最中に再発したらまたステロイドを大量投与…。。。
この繰り返しのパターンから抜け出せない人が多いんです。
ステロイド薬は非常に強力な薬なので、長期間の服用すると、様々な副作用が起きてしまい、
ステロイド症状と言われるような症状に苦しめられることになります。
病気を治したいから使ってる薬が、逆に新しい症状を引き起こすっていう悪循環なんです。
けど、そんな状況を打開する為に登場したのが免疫抑制剤と言われる薬です。
リツキサンも免疫抑制剤の一部になります。
ネフローゼ症候群の発症の原因は、自分自身の免疫機能の異常状態から引き起こされるらしいということが最近の研究で分かってきてます。
そこで、免疫抑制剤で、特定の免疫機能の働きを抑えることで、
正常な状態にしてあげることで再発を予防することができるはず!と考えられてます。
そんな免疫抑制剤の中でも、リツキサンは投与してから再発予防効果で高い実績を上げてるので、
ネフローゼ症候群の治療においてヒーローとも言える存在になりつつあります。
ちなみに私も、今年からリツキサン治療に挑戦してます。
まだ始めたばかりなので、効果の程は分かりませんが、今後の記事でも経過をご紹介していきたいと思います。
スポンサーリンク
再発したときの心構えを伝授します!
ネフローゼ症候群のホントに苦しいのは、何度も再発を繰り返してしまうことです。
そのたびに、心が折れそうな気持ちになるんですよね。
「あぁ、またステロイド薬が増えるのかぁ…。ムーンフェイスはやだなぁ。」
「また再発って…。。色々と気をつけてたのに!どうして⁉︎」
本人も辛いですし、お母さん・お父さんも苦しいですよね。
こんな想いを繰り返したくないから、普段の生活から色々なことを我慢して細心の注意を払ってます。
私も同じです。
けど、それでも再発するときがあります。
ホントに不思議なんです。
ネフローゼ歴26年の私ですら、再発したときは悔しくて悲しくてショックを受けます。
けど、(自称)ベテランなので、再発したときにはこんな風に考えるようにしてます。
【再発したときの考え方】
- 身体が、最近の自分が頑張りすぎて無理してるから、身体を休めてリフレッシュするようにストップを出してくれたんだ。
- しばらくネフローゼのことを忘れてたけど、たまにはネフローゼのことを思い出して向き合う時間もとらないとな。
ここまで、割り切って考えられるようになるには相当な時間が必要です。
最初は難しいかもしれません。
けど、どうかこれだけは忘れないでください。
それは、「自分を責めないで!」ってことです。
どうしても再発してしまうと、原因を探してしまいます。
ただでさえ、ストレスは身体に悪影響しか与えないのに、自分で自分を追い込んでしまうことにだけは止めるようにしてください。
再発をしてしまったら、
「またか!久々に長期休み取れるから、自分の好きなことして過ごせる♬」って明るく考えましょうね。
ネフローゼ症候群だけでなくて、病気全般について言えることかと思いますが、ネガティブな考えになりがちです。
どうしてもそうなってしまうのは凄く分かります。
何度も何度も泣いてしまうほどのショックとやり切れない悲しみを繰り返すこともあります。
けど、どうかお願いです。ネフローゼの再発に負けないでください。
戦うのではなく、共存する感覚でいてください。
ネフローゼ症候群という病気はあなたの一部です。
他人よりもちょっとだけ変わってる体質ですけど、あなた自身が全部ひっくるめて受け入れていくことが大切です。
Comments